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なぜ猫はよく眠るのか?

猫はよく眠るので「寝子」が語源だとするほどです。日光東照宮の「眠り猫」も有名ですよね。なぜ猫はこれほどよく眠るのでしょうか?

猫は 薄明薄暮性の動物

猫は睡眠中毒かというと、違います。ジャガーやオセロットなどのネコ科動物と同様、ネコは日没から日の出までの間に最も活動する薄明薄暮性の動物なのです。その理由は獲物が薄明薄暮性であることが多いからです。その昔、猫が野生で暮らしていた頃、夕暮れから明け方にかけて起きて、餌を探す狩りをしなければなりませんでした。

狩りは、どんな動物にとっても非常にエネルギーを消費するプロセスです。そのため、猫は狩りに備えて日中にたくさん眠るという習慣を身につけました。つまり、人間が最も活動的になる日中に、猫はたくさん眠るように進化してきたのです。

猫の睡眠時間

猫は通常、1日に15時間程度の睡眠を必要としますが、これにはばらつきがあります。子猫や高齢の猫はもっと眠る傾向があり、20時間まで眠ることもあります。活動的な猫は、12時間程度しか眠らないことも。ほとんどの場合、猫は徐波睡眠(SWP)つまり浅い眠りの状態です。このとき鼻と耳は警戒モードになっており、危険を感じたらすぐに回避できるような姿勢で眠っています。昼寝の時間は通常15~30分です。

猫の睡眠時間は最低でも12~14時間必要で、レム睡眠と浅い睡眠の両方が猫の健康にとって重要となります。猫の食事はほとんどがタンパク質(肉、魚、牛乳など)で構成されているため、摂取したタンパク質を完全に消化するためにも、適切な睡眠が必要なのです。

レム睡眠は、人間や鳥類が経験する、夢を見たり、脳の活動が活発になったりする独特の睡眠時間です。睡眠中に手足がピクピクしたり、ひげが規則正しく動いたりしていたら、夢を見ている可能性があります。ある研究では、飼い主の行動に合わせて睡眠時間を調整する猫もいることが明らかにされています。

雨や寒い日は寝る時間も長くなる

天候や気温などの要因も猫の活動や睡眠パターンに影響を与え、雨の日や寒い日には、猫が寝ている時間が長いことが分かっています。猫を飼っている方なら、冬になると猫がよく暖房器具の近くで寝ていることに気づいているでしょう。これは、猫が私たちと同じ温血動物であるため、寒い日には体内の温度バランスを保つために多くのエネルギーを必要とするためです。

また、猫は一般的に晴天を好み、梅雨を嫌います。雨の季節は体が温まりにくく、雲から出る音も嫌いなのだそうです。また、雨に濡れるとなかなか乾かず、皮膚や毛についた水分で風邪を引きやすくなるというのもあります。

また、猫は安心するとよく眠り、何も邪魔されない場所を選んで眠る傾向があります。しかし、睡眠時間が長いことが必ずしも良い兆候とは限りません。普通の年齢の猫が1日に15~16時間以上寝ている場合、退屈、体の痛み、甲状腺機能亢進症、うつ病などを抱えている可能性があります。猫の寝相が急に変わったり、過剰に眠ったりした場合は獣医に相談する必要があります。人間と同じように、猫の睡眠パターンからも健康状態を知るヒントが得られます。

おわりに

私たちの体が正常に機能するために夜の睡眠が重要であるように、猫の健康にも一日の睡眠が必要です。猫が安心して眠れる環境を整えてあげたいですね。

参考文献

KAMUYAI編集部http://kamuyai.com
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