目次
バイアスが働く顔の特性
皆さんは、AとBのどちらの顔が信頼性が高いと考えますか?
では次に有能そうな人を選んでみてください。
外向的な顔はどちらでしょうか?
おそらく、すべてAを選んだ人が多いのではないでしょうか。人を見かけで判断してはいけないと言いますが、我々には見かけに対するバイアスを抱える傾向があるようです。
勝つ候補者の顔
アレクサンダー・トドロフの研究によれば、見かけは我々の日常でも大きな影響があるようです。
例えば、選挙の候補者の見かけは有能そうという見かけなら、当選の可能性は高まります。我々は一瞬でも顔を見れば、有能そうな顔を見分け、勝つ可能性の高い顔がわかるそうです。
それは子供でも同じで、「これから大きな船に乗って外国にいくなら、どっちの人に船長になってほしいか」と質問をすれば、勝つ可能性の高い顔を選ぶそうです。
もちろん、投票の判断材料で候補者の実績といった見かけ以外の情報を検討するでしょう。確かに、候補者の見かけは、政治のことを知らない投票者だけに影響を与えるそうです。しかし、政治のことを知らない有権者は少なくないことを考えると、見かけの影響は無視できないほど、大きいと考えられます。
日常での見かけの影響
また、害が故意に起こされた場合、童顔の被告が敗訴する傾向は大人びた顔つきよりも低く、害が偶然起こされた場合、童顔は敗訴する傾向 童顔が勝訴した場合、被告の顔が大人びていた場合、より多くの賠償金を手にする傾向があるようです。
犯人と思われる人物を選ぶよう求められた目撃者は「犯罪者らしく見える」顔を選ぶ傾向があるそうです。自分に似た顔に投資したり投票する。自分に似た純血種をペットに選ぶという話もあります。
ステレオタイプの影響も無視できないでしょう。周囲から内向的な顔だと思われている人はそのようにふるまうことを期待され、そのようにふるまうかもしれません。
馴染みのない顔は見分けがつかない
下記の写真では何人の違う人間がいるでしょうか?
上記の写真では違う2人の人間の顔が並べられています。馴染みのない顔では顔を区別することが難しくなります。
表情を読む
嘘をついている人なら、カラスの足跡がないなら笑うための筋肉を使っていない可能性があります。悲しんでいるなら、眉のつけ根の下が落ちくぼみます。寝不足の顔や不健康そうな顔、喫煙によるスモーカーズ・フェイスの見分けもつきます。
終わりに
我々は生まれたときから、顔に注意を向けるようです。人を判断する時、見かけのバイアスが働いていることを踏まえて考えるがよいかもしれません。
参考文献
https://tlab.uchicago.edu/demonstrations/
卒アル写真で将来はわかる予知の心理学 文藝春秋
第一印象の科学 みすず書房