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ランナーズハイはエンドルフィンが原因ではない?

これまで信じられてきたエンドルフィン

1980年代の初期の研究により、このエンドルフィンの放出がランナーズハイと呼ばれる多幸感に関係しているという説が長く一般に信じられてきました。しかし、運動の神経科学に関する新しい研究結果によれば、運動によって、脳と身体のバランスを保つために働く分子である体内のエンドカンナビノイドのレベルが確実に上昇するとのことです。

大麻に含まれ、人に高揚感を与える精神活性化合物であるテトラヒドロカンナビノール(THCとしてよく知られる)などのカンナビノイドについては有名です。しかし、人間もまた、エンドカンナビノイドと呼ばれる化学物質の自分自身のバージョンを作り出しているのです。

エンドカンナビノイド

エンドカンナビノイドは、脳と体中のカンナビノイド受容体に作用します。痛みの緩和、不安やストレスの軽減、学習や記憶の強化など、さまざまな効果をもたらします。

また、空腹感、炎症、免疫機能にも影響を与えます。エンドカンナビノイド・レベルは、食事、時間帯、運動、肥満、怪我、炎症、ストレスによって影響を受けることがあります。

エンドカンナビノイドの最新研究

ウェイン州立大学の神経科学チームは、運動がエンドカンナビノイド・レベルに与える影響について発表された33件の研究のシステマティック・レビューとメタ解析を行いました。

その結果、急性期の運動は、どの研究でも一貫してエンドカナビノイドレベルを高めることがわかりました。

興味深いことに、この運動によるエンドカンナビノイドの増加は、ランニング、水泳、重量挙げなど様々な種類の運動で、また、持病のある人とない人の間でも観察されましたそうです。

運動強度や運動時間を調べた研究は少ないですが、エンドカナビノイドレベルを上げるには、低速や低傾斜のウォーキングなどの低強度の運動よりも、サイクリングやランニングなどの中程度の運動強度が効果的であるようです。効果を十分に得るためには、少なくとも30分間、心拍数を高く保つこと、つまり、年齢調整した最大心拍数の70~80%の間で行うことが重要でhttps://www.sciencealert.com/it-turns-out-that-everything-we-know-about-the-runner-s-high-could-be-wrong-endocannabinoidsあることが示唆されました。

それなりの強度の運動が効果的というのは参考になりそうですね。

参考文献

https://www.sciencealert.com/it-turns-out-that-everything-we-know-about-the-runner-s-high-could-be-wrong-endocannabinoids

KAMUYAI編集部http://kamuyai.com
本質を突いた、長く読まれる記事を目指します。

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