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ジップの法則
ジップの法則はべき乗則の一種です。べき乗則は地震、市場、何かの頻度などたくさんの現象で見られます。
英単語の使用頻度を「べき指数」で表すと1.2ぐらいだそうです。この数字は動的なものであり、今この瞬間にも言葉の流行によってこの数字は変動しています。べき指数1.2の場合上位20%が占める割合は76%です。
ーNassim Nicholas Taleb『ブラック・スワン』 より
ちなみに、上位20%が80%を占める「べき指数」は1.16になります。
富の格差
アメリカの富の格差が話題になりますが、上位1%のリッチな人たちが富の47%を占める場合、
「べき指数」は約1.2です。
言葉で考えれば、上位に偏れば、 偏るほど言葉の多様性は失われていきます。逆に偏った頻度の言葉は飽きられる現象もあります。
マタイ効果
新約聖書にも格差が広がる傾向について述べられている箇所があります。この傾向が続くなら「金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に」なっていくことになります。これをマタイ効果(マタイの法則)と呼びます。これは富、名声などさまざまなものに適用できます。
おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。
— マタイによる福音書25:29
格差の問題
格差の問題が叫ばれています。自然現象のあらゆる所にべき乗則が見られることを考えると、偏ることは避けられないもののように思われます。では偏りをなくすのは無理だとしても、ゆるやかなら、良いことなのでしょうか? それぞれによって適切なべき指数があるかもしれませんが、黄金比1.618(上位20%が約54%)が理想的とも思ったり?極端に偏ったときのほうがイノベーションは起こりやすいのでしょうか? 歴史を振り返れば、フランス革命のように、富が偏りすぎて下流の反発を招くことはたくさんありました。すぐに答えは出るものではないかもしれません。今後の研究結果に期待です。