ホーム歴史日本語の「ありがとう」はポルトガル語の「オブリガード」が起源?

日本語の「ありがとう」はポルトガル語の「オブリガード」が起源?

ポルトガル語由来の日本語

「パン」「おんぶ」「タバコ」は普段よく聞く言葉ですが、これらはポルトガル語由来だそうです。他にもキリシタン、カルタ、キャラメル、じょうろ、ベランダ、金平糖などが由来とされています。

そして、「ありがとう」がポルトガル語「オブリガード」を由来とする説があります。昔は「かたじけない」が使われ、「ありがとう」は使われていなかったというものです。

はたして真偽はどうなのでしょうか?

宣教師らが編纂した『日葡辞書』

1603年にイエズス会宣教師らが編纂し、刊行された『日葡辞書』があります。約3万2000語採録されており、印刷され、現在、世界で4か所に所蔵されています。

1603年刊行の日葡辞書 

岩波書店で邦訳したこの『日葡辞書』で「ありがとう」を調べると下記がありました。

arigatai 有難い 神聖な(もの)、または感謝や尊敬の値するような(もの) また、珍しくて手に入れにくい(もの) aeigatasa有難さ arigatō有難う

ポルトガル語由来とされる「天ぷら」「かるた」「タバコ」は掲載されていないことを考えると、「有難い」はポルトガル語由来と考えられていなかった可能性が高そうです。

どうやら、仏教由来で古典でも使われる「ありがたい」を由来とする説が正しそうです。

おわりに

『日葡辞書』は宣教師が日本に来て50年ほどで刊行されています。目的は宣教や国の利益などいろいろあったでしょうが、情報収集の価値をよく理解していることがうかがえます。

当時は「糞」の使い分けもあったようです。「兎は落し 鷹はうち 犬は穢し 狸は溜め 鳥は返し 馬は肥」と記載されています。

今に通じる言葉も多く、『日葡辞書』は楽しめるのでおすすめです。

参考文献
邦訳 日葡辞書 岩波書店 1980年

世界でたった4冊の「日葡辞書」とは何か?戦国時代の日本語がこれで分かる!
https://intojapanwaraku.com/culture/43746/

「ありがとう」の語源はポルトガル語!?オブリガード由来説ってどういうこと?
https://fundo.jp/289404

日葡辞書
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E8%91%A1%E8%BE%9E%E6%9B%B8

KAMUYAI編集部
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